私の職場は「特別養護老人ホーム」ですから、当然90歳代の方も沢山います。(104歳で元気な方もいます)
もちろん救急の時は病院へ搬送しますが…
老衰の方もおられ、「看取り」も行なっています。
痛みや出血…呼吸苦などが無くて、家族の希望もあれば、終末の時を「ターミナルケア」として看て行きます。
今日、90歳代の方が静かに天に召されました。
「ターミナル」として看ながらも、低空飛行で比較的穏やか…
食べる事が好きな方で、何と一週間前までは、介助ですが自分の口で食事を全量食べておられました。
口癖は「ありがとうね…ありがとうね…」でした。
2〜3日前から呼吸が変わり「息苦しい?きついね〜」と声をかけると…
「いいや〜苦しゅうなかよ…ありがとうね〜」と言って、ニッコリ笑顔を見せてくれました。
今日はさすがに、状態が落ちてきて…
「OOさん〜苦しいね〜」と耳元で声をかけると…
目は開けなくなりましたが、口をモゴモゴさせて「はい〜…きつかね〜…」と言いながらも「だいじょうぶ…」と、声なき声で言いました。
長年仕事してると…
「近いな…」と解ります。
だから、家族へ電話しました。
直ぐに来る気配がないので…
「今日、遭われた方が良いと思います…後悔が無いようになさって下さい…」と伝え…
そして…
家族さんの顔を見て2呼吸して、安らかなお顔をして、旅立ちました。
そう…
私の務めは、このようなタイミングを逃さない事なんです。
いずれ、別れの時が来ますが…
今までの、わだかまりを解いて…
お互いが、納得して…
お別れが出来るように…
面会に来られた若い方々、小さいお子さんにも、「死」をしっかり受け止めて頂くように…
「命」を粗末にしないように…
と話します。
時によっては、家族の心のケアをしますし、神様の事を語る時もあります。
「私は、クリスチャンなので…今、この時を…こう捉えます…」などと話し、とても喜んで下さいます。
やっぱり、神様の事を語る時って…
至福の時です。
神様が与えて下さった任務を全うする事が出来ますように…
今日の花は、その事を思ってか…
憂いを含んでいるように見えます。
全てを「感謝」すること…
「ありがとう」と言える事が、穏やかな最後を迎えるコツのようです。