父が選んだ「ゴムの木」です。
当初私は「ゴムの木」には関心が無かったんです。
だから、父がが欲しそうに手にして見ていても「ん〜ん〜」って感じでした。
私が「こっちがいいんじゃない〜」って言っても、やっぱり見てるんです。だから、買っちゃいました。
父の嬉しそうな顔ったら…
家に帰って来るたびに、マシュリーと遊び、植物を眺め、外に出てはキンカンの木を眺め…
そんなある日…
平成22年11月18日は父の87才の誕生日を前にして…
ある土曜日仕事が昼までだったのでちょっと父の所に顔を出して、直ぐに帰る予定でした。
この日は、私の友達が勤める病院でゴスペルコンサートが予定されていたのです。
ところがこの日に限って父は玄関から外へ出て私の車に行こうとするのです。
私がどんなに「じいちゃん!今日はダメだよ!
2日後に休みだから、ばあちゃんのお見舞いに行ってから、誕生日のお祝いをしよう…大好きなお肉食べようよ…」って言っても…
こんな父を見たのは初めてでした。
直ぐに解りました…
父は入院した母の所に行きたかったんです。
でも、私は…
「今日はどうしてもダメ!」って言ったんです。コンサートの時間に間に合わない…って焦ってました。
父は寂しそうな顔をして…玄関からクルリッと向きを変えて「オヨ オヨ…」(解ったよって…)諦めたんです。
この時の表情が私の胸に突き刺さりました。
後ろ髪を引かれる思いをしながら、私はコンサートに立ったのです。
ずっと、これで良かったのか…と思いながら…
でもね…ついにこの2日後の誕生日のお祝いは出来なかったんです。
そして、二度と母に会うことは…ありませんでした。
父は入院したのです。
病院に駆けつけると父はベットに座り、ニコニコしていました。
「何でも無いよ〜」っていう風に…
そして、片手を振り「はよ帰れ〜」って…何時ものように…
でもね、その笑顔と裏腹に病状は深刻だったんです。
病名は「脳幹梗塞」…
3度目の脳梗塞は、脳の司令塔がやられたのです…
それはね…
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